原始仏典:ダンマパダ(第9章)

原始仏典:ダンマパダ(第9章)について
目次

関連記事


善行をする時は、思えば直ぐにしたほうが良いです。
悪事を思えば、自分の心からは直ぐに捨て去るようにしなさい。
そうでないと、人間の心とは、善行をしない時は悪事を優先する癖があるものだから。
(116番)

もしも悪事をしてしまったならば、それを繰り返さないことです。
悪事を捨て去りなさい。
悪事を積み「重ねる」ことが、本当の悪事だからです。(117番)

もし善行をしたならば、それを繰り返すことです。
更に善行をすることを心掛けるのです。
善行を積み重ねることが、本当の涅槃(ねはん:極楽)に既に居ることなのです。(118番)

(原始仏典 ダンマパダ9章-116番・117番・118番)

(感想)
この章を、ただの説教臭い話だと思っては生けません。
ここには、人間の心の動き方と、それを制御する方法と、
悟りの本当の正体が開示されています。

118番には、究極の答えが述べられています。
私たちは、天国や涅槃や、悟りの心境に「行く」、今の自分とは違う心境に成る、
何かが変わる、・・・・・という想像をしてしまいます。
でも、そうでは無いのです。

善行を積み「重ねる」ことが出来れば、その今の自分の心境こそが、それは既に天国であり、涅槃に居り、悟りの最中なのです。

(中略)

既に、今の生活の中で気付くことが究極の答えなのです。
今のままで、絶対的な幸福感に包まれることが誰でも可能なのです。
ただし、そうなれるためには、釈尊が仰ったように、その自分の生活の中で善行を「重ねる」という生活習慣こそが必須なのです。



悪い行為からの因果が、まだ熟成しない間は、
悪い人でもまだ幸運に出合うことがあります。
でも、悪い因果が熟成した時は、悪い人には必ず悪事が帰ります。(119番)

良い行為からの因果が、まだ熟成しない間は、
いくら良い人でもまだ、災難に出合うことがあります。
でも、良い因果が熟成した時は、良い人には必ず良い事が帰ります。(120番)

(原始仏典 ダンマパダ9章-119番・120番)

(感想)
これは釈尊が、人生のタイムラグ(時間差:互いに関連する事柄の間に起こる時間のずれ)について仰っています。
このタイムラグのせいで、コノ世に神はいない、悪人が勝つ、正義は無い、不公平感、不平等、・・・・という錯覚を人は持ってしまうことがあります。

しかし、非常に長い視点で物事を観ますと、やはり人間の一生の長い間に起こります起承転結では、コノ世の大半の善悪は帳尻が合わされます。もし合わない場合でも、寿命や健康という形で、強制的に執行されて行くものです。

でも、生きる間に強制的に帳尻が合わされる人は、まだ霊的には幸運なのが真実です。その人には、それが本当に「救い」なのです。
もし、コノ世で帳尻が合わないままでコノ世を去りますと、生死をまたいでもトコトンにタイムラグを埋め合わせる重力が働くのが宇宙の法則です。これが厄介と言いますか、厳格と言いますか、体験する舞台が死後の世界に変わっていますので、大きな利子が付いての帳尻合わせと成ります。

(中略)

結論から言いますと、コノ世で自分に不幸がありましても、それは本当は超ラッキーな帳尻合わせであり、「自分自身のための」大いなる昇華と進歩のチャンスであるのが霊的な真実です。
そして、コノ世で自分に良い事が有りますと、それは本当に内在神(良心)からのプレゼントなのです。
つまり、良い事ばかりだったのが霊的真実です。
この道理にアノ世で気付いて、多くの魂がやはり再挑戦、やり直しを希望して来たのが今までの転生のパターンです。

今に生きている私たちは、非常に貴重な再挑戦をしている最中であると思って下さい。
すべての善悪が自分のために起こってくれています。


最初の気の緩みに注意 2014-09-18 11:49:13

少人数で多くの財宝を運ばなければいけない商売人は、危険な道を行くことをあえて避けます。

長生きをしたいと思う人は、生活の中で毒のあるものを意識的に避けます。

つまり人間は、色々な悪からは離れることを常に素直に意識しておいたほうが良いのです。

(原始仏典 ダンマパダ9章-123番)

(感想)
人間とは、ありきたりな日常生活に飽きて、たまには刺激が欲しいと思ってしまうことがあります。
しかし、人間のサガ(性)とは、人間の社会とは、・・・・そのほんの少しの刺激だけでは終わらないことが多いのです。中には、結局は破滅に繋がることがあります。最初は、ほんの些細な切っ掛けであってもです。
本当に、最初が肝心だったということです。

人はどうして、アタリマエな日常生活に飽きてしまうのでしょうか?
でも、生死をさまよう大病から復帰された人は、アタリマエな日常生活が出来ることが、最も貴重なプレゼントだったと言います。
出来れば自分が大病を経験せずとも、普段の今からアタリマエな生活に感謝が出来る自分であることが大切なのです。

(中略)

やはり、この章も教訓に満ちた章でした。
* 最初の気の緩みが怖いということ。
* 人間のサガ(性)を甘く考えては生けないこと。
* 想定力・想像力が大切だということ。

このようなことを知っているだけでも、人生は変わります。
今日も、アタリマエなことに感謝が出来る自分で居ましょう。



自分の心にやましいことが無い人、心が清くて自分の良心に従う人間、

このような御方をもし非難する人がいるならば、この愚かな人にこそ色々な災難が振りかかることに成るのです。

それはまるで、天に向かって砂を投げた人が、その砂をかぶるようにです。

(原始仏典 ダンマパダ9章-125番)

(感想)
釈尊が反射の法則について述べておられます。
私たちは他人から理不尽な非難を受けますと、
「目には目を、歯には歯を」と思ってしまうものです。
ただ、やられたら、やり返す。これを繰り返す限りは、どちらかが止めるまで終わらないのです。
その繰り返される嫌な期間に、その2人は多くの貴重な時間と労力を捨ててしまっています。
では、どうすれば良いのでしょうか?ここで釈尊は、

(1) 自分の心にやましいことが無い状態で居なさい。
(2) 自分の良心に恥ずかしく無い状態を心掛けなさい。

このような自分で居ることを心掛けていますと、そのような他人のことを非難する人は、その人自身が出す毒気に自ら巻かれてしまうことに成るのです。
これは最高の呪詛(じゅそ)返しを釈尊が教えてくれています。

(中略)

自分自身が、キレイな鏡のような気持ちでいますと、
「天に向かって砂を投げた人が、その砂をかぶる」
つまり相手は、自業自得(じごうじとく)に成るのです。
相手が悪ければ、その相手が悪くなりますし、
相手が本当に正しければ、相手が良く成ります。
これは本当に公平なことです。

(3) 今日も自分の心を、嫌な物事(非難)に執着をせずに、自分の良心に沿って暮らしましょう。

以上の3つで、自分の人生も運命も今からでも必ずより良く変わって行きます。
自分の心を鏡に致しましょう。



ある人々の魂(心)は、転生して再び人の胎児に宿ります。
悪行をした人々は、地獄に落ちます。
普通に生きて善行もした人々は、天に入ります。
心が清い人々は、完全なる癒(いや)しの世界(涅槃:ねはん・極楽)へと入ります。

(原始仏典 ダンマパダ9章-126番)

(感想)
この章は、釈尊の言葉としては珍しい文章です。非常に少ない部類の内容だと思います。
ここでは釈尊が、輪廻転生(りんねてんせい:生まれ変わり)が存在することをハッキリと認めております。
また、その魂(心)に応じて、地獄と天界に行き先が分かれることを明記しています。
さらには、完全なる調和と癒しの世界である極楽の世界が存在することを宣言しています。

(中略)

釈尊が11次元の視点から述べた言葉は、完全なる無、死後も無い、人間は生まれたことが無い、天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)・・・・という感じの発言に成ります。
しかし、釈尊が4次元~以降からの視点では、この章のような発言をしています。
つまり、釈尊という同一人物の発言でありましても、その時の釈尊の視点の次元と、聞く人の心の次元により真逆の言葉と内容に成っています。
これを後世の人々が解釈しますと、釈尊の言葉が矛盾していると思われますが、見る視点の次元を考慮しますと、やはり釈尊の言葉はどれも真実であり素晴らしいのです。



空中に居ても、海の中に居ても、山奥の洞窟に隠れていても、

世界のどんな場所に逃れても、

死の恐怖から解放される場所はありません。

(原始仏典 ダンマパダ9章-128番)

(感想)
「人間は死の恐怖から離れることは不可能だ」
「だから、逆に死の恐怖から、逃げようとしては生けない」
「だから、逆に死を正しく怖がりなさい。正しく恐れなさい」

「そして、死を恐れるからこそ、今を真剣に明るく生きなさい。
今の内に、自分が出来ることを思いっ切り頑張りなさい」

「人間は、コノ世が期間限定だからこそ、逆に頑張れるのです。
コノ世が永遠では、誰も頑張ることが出来ません」

釈尊のこの章を読みまして、以上のような印象を感得しました。

(中略)

人は、自分の右胸に永遠なる実在(根源神・内在神)を感じられれば、自分の中に求めれば、
その時に初めて死の恐怖から本当に解放されるのです。
自分の心が死なないことを真(深)から感じられるのです。
自分の心が決して「死ねない」存在であることが自然と分かるのです。


【掲載順序】本ページは「日付昇順」とします。



  • 最終更新:2020-06-11 20:32:27

このWIKIを編集するにはパスワード入力が必要です

認証パスワード